相続放棄

請求が 忘れたころに やってきた

依頼者 70代女性
亡くなられた方
相続人 妻(依頼者)・長男(依頼者)・長女(依頼者)
遺産 借金(保証債務)

ご依頼の背景

依頼者の夫は、約5年前に急病によって死亡しておりました。その当時、夫から借金があるような話は聞かされておらず、相続については何の手続もしておりませんでした。

ところが、ある日突然、夫の法定相続人にあたる依頼者ら(妻・長男・長女)に対し、債権者からの請求書が届きました。その内容によると、亡くなった夫がある人の連帯保証人になっていたため、その相続人に対して貸金の支払を請求するというものでした。あまりに唐突なことに驚いた依頼者らは、弁護士への相談に至りました。

依頼人の主張

依頼者の夫は、生前はまじめな生活をしており、依頼者にとっては借金があったことなど寝耳に水の話でした。もし借金があるなどということを知っていたら、すぐに相続放棄をしていたというのが依頼者の言い分です。

そこで、本件は相続発生から3か月以上経過した時点で相続放棄することができるかが問題となる事例でした。

サポートの流れ

相続放棄は、原則として相続開始を知った時から4か月以内に行っておく必要があります。

一方、相続財産が何もないと信じていたことについて相応の事情がある場合は、例外的に上記期間経過後でも相続放棄が受理されることがあります。

そこで、本件ではその例外的な事例にあたることを裁判所に説明して相続放棄を受理してもらう必要がありました。

まず、弁護士が依頼者から詳しい事情聴取を行いました。それにより、夫の死亡時には相続するような不動産がなかったこと、預貯金もわずかであったこと、夫から借金の話を聞く機会もなかったことなどを聴き取り、その内容を「陳述書」として整理しました。

この陳述書を添付する形で、家庭裁判所に事情をわかってもらえるように相続放棄受理申述を行いました。

結果

結果として、依頼者らの相続放棄申述は無事に受理されました。

そのため、依頼者は思いがけない保証債務の責任を負うことなく、平穏な暮らしに戻ることができました。

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